アストロサイトには専門的な仕事があるようだ

Baylor College of Medicineの新しい研究は、脳と脊髄に数多く存在する星形の支持細胞であるアストロサイトが、単一の汎用的な集団ではないことを示す証拠を提示した。研究者はマウスで遺伝子ツールを使い、異なるアストロサイトのサブタイプが、神経細胞間の結合の構築、学習と記憶に関わる回路の形成、脳卒中後の回復など、異なる仕事に関与することを発見した。

Natureに掲載されたこの研究は、神経科学における長年の問いを扱っている。アストロサイトが神経細胞間の通信を支え、細胞に栄養を与え、血液脳関門を維持し、損傷や病気に反応することはすでに知られていた。生きた脳内で、特定のアストロサイトが特定の機能を担うかどうかは不明だった。

Baylorチームの結果は、それらが役割を分担していることを示している。この発見により、アストロサイトは、神経系の中で特定の役割と結び付いた多様な集団として、神経細胞と同じように考えられるようになる。

能動的な役割を持つ支持細胞

アストロサイトは支持細胞と説明されることが多いが、その呼び方では神経系への関与の広さが見えにくくなる。神経細胞の通信を助け、脳回路が機能できる条件づくりに関わるほか、脳を保護する血液脳関門の維持を助け、脳が損傷したり病気になったりすると反応する。

研究者は以前から、アストロサイトの分子多様性を観察していた。特定の表面分子を持つ細胞もあれば、異なる遺伝子群を活性化する細胞もある。培養皿を使った先行研究でも、分子プロファイルの異なるアストロサイトが異なる振る舞いを示す可能性が示されていた。

しかし、分子の違いや培養皿での振る舞いだけでは、正常な脳内で細胞が異なる仕事を持つことは自動的には証明できない。今回の研究は、活動中のマウス脳でこの機能的な問いを検証するよう設計された。結論は、単にアストロサイトが異なるという観察より具体的だ。特定されたサブタイプは、異なる生物学的役割に関与しているようだ。

サブタイプを分ける遺伝的手法

研究者は新しい遺伝子ツールを用いてアストロサイトのサブタイプを識別した。研究の一部では、いくつかのアストロサイト表面に存在するタンパク質CD51に注目した。このような分子特性で集団を分けることで、すべてのアストロサイトを同じものとして扱うのではなく、細胞が何をしているかを調べられた。

脳には、近接して働く多くの細胞タイプが存在するため、この手法は重要だ。すべてのアストロサイトを広く操作すれば、アストロサイトが重要だと示せても、どの細胞がどの結果に関わるかは分からない。サブタイプに特化したツールは、細胞の分子上の同一性を、脳の発達、回路機能、損傷からの回復における役割と結び付ける手段になる。

研究では、異なるアストロサイト集団が異なる結果と関連していた。神経細胞間の結合を確立するのを助ける集団もあれば、学習と記憶に関係する脳回路を形成する集団もあった。研究者は、脳卒中後の回復を助ける役割も説明している。

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クレジット: CC0 Public Domain

脳研究への意味

この発見は、脳回路がどのように組み立てられ維持されるかを研究する、より詳細な枠組みを提供する。神経細胞には特化したタイプがあり、活性化信号を送る細胞もあれば活動を抑える細胞もあることは、長く理解されてきた。Baylorの研究は、アストロサイトの多様性も同様に機能的な意味を持つ可能性を示している。

これは、アストロサイトが神経細胞の役割を単純に複製するという意味ではない。元の報告では、神経回路が形成され、通信し、損傷に反応する条件を調整・支援する細胞として説明されている。専門的なアストロサイト機能の特定は、こうした回路の研究に別の層を加える。

学習と記憶の研究では、特定のサブタイプと関連脳回路との結び付きが、非神経細胞がこれらの機能にどう影響するかについて新たな問いを生む。脳卒中研究では、あるサブタイプが回復を助けるという発見が、損傷に対する細胞応答を調べる、より焦点の絞られた方向を示す。

この研究が示すこと、示さないこと

研究はマウスで行われた。そのため脳の生物学を理解する重要な実験結果ではあるが、新しいヒト治療や直接的な臨床介入と読むべきではない。提供された報告は、アストロサイトを操作すれば人間の学習、記憶、脳卒中後の回復が改善するとは主張していない。

主な進展は方法論的・生物学的なものだ。遺伝的手法によって、生きた脳内でアストロサイトのサブタイプの役割を検証できた。この手法は、アストロサイト全体に関する広い問いから、個々の細胞集団の貢献に関する精密な問いへ、今後の研究を進めるのに役立つ。

アストロサイトは正常な脳機能だけでなく、損傷や病気にも関与するため、この精度は有用かもしれない。ただし治療への応用を検討する前に、人間に同等のサブタイプがあるか、安全に影響を与えられるか、変化させた場合に脳全体へどのような影響が及ぶかを明らかにする必要がある。

身近な脳細胞を捉え直す

この研究は、アストロサイトを均一な背景層ではなく、脳の組織化に能動的に参加する細胞と見る流れを強める。神経細胞と神経回路を支えるという意味では依然として支持細胞だが、その支援自体が分化しているようだ。

特定のアストロサイトサブタイプが結合の構築、学習・記憶関連回路の形成、脳卒中後の回復を助けられることを示すことで、Baylorの研究者はこれらの細胞に分業がある証拠を示した。これは、脳が発達し、適応し、損傷に反応する仕組みを研究するための、より明確な基盤となる。

この記事はMedical Xpressの報道に基づいている。原記事を読む。

Originally published on medicalxpress.com