SpaceXがStarshipの新たな回収目標を設定

SpaceXは、軌道打ち上げ機では前例がないと同社が説明する試み、つまり1回の試験飛行でStarshipの両方の段を回収する計画を立てている。創業者兼CEOのElon Muskは10月20日の第3四半期決算説明会で目標を発表し、次回の試験飛行を11月に予定していると述べた。

計画では、発射塔の機械アームを使い、Super HeavyブースターとShip上段を発射塔で捕獲する。このアームはしばしば「チョップスティック」と呼ばれる。成功すれば、SpaceXの独特な回収方式を下段から2段式システム全体へ拡張することになる。

Starshipに対する同社の構想は、この結果に大きく左右される。Starshipは完全かつ迅速な再使用を目指して設計されており、SpaceXは、地球外での大規模ミッションに必要なコスト削減と飛行頻度の向上には、繰り返しの再使用が不可欠だと主張している。

両段の捕獲はどう行われるのか

Starshipは2段で構成される。下段のSuper Heavyブースターは、発射地点を離れるために必要な初期推力を生み出す。Shipとして知られる上段は、軌道へ向かい、最終的に宇宙船として機能するよう設計されている。

着陸パッドやドローン船に戻るSpaceXのFalcon 9やFalcon Heavyのブースターとは異なり、Starshipの回収構想では機体を発射塔へ戻す。塔のアームが機体を直接捕獲することで、回収地点に従来型の着陸システムを置かずに、点検、改修、次の飛行への準備を行える。

SpaceXはすでにSuper Heavyについて発射塔での捕獲運用に取り組んでいる。次の提案された節目は、Shipにも同じ基本方式を使うことだ。両段の捕獲に成功すれば、ブースターだけでなく、打ち上げスタックの主要2構成要素を回収できることが示される。

なぜ完全再使用が計画の中心なのか

Starshipはこれまで建造された中で最大かつ最も強力なロケットで、完全に積み重ねた状態では400フィート、つまり122メートルを超える。その規模は、従来の打ち上げシステムを大きく上回る頻度で機体を整備し、繰り返し飛行させるという、同じく大きな運用目標と結び付いている。

発射塔の金属アームにより空中に吊り下げられた銀色の宇宙船のイラスト
SpaceXがStarship大型ロケットの上段を捕獲する様子を描いたアーティストイラスト。同社は機体の15回目の試験飛行で実施することを期待している。(画像:SpaceX)

Muskは、軌道打ち上げ機を完全に回収することを主要な技術的マイルストーンと表現した。より広い主張は、地球外で継続的に活動するには、1回のミッション後に廃棄するのではなく、迅速に再使用できる打ち上げハードウェアが必要になるというものだ。SpaceXはStarship計画を、火星ミッションやその他の大規模な探査構想と結び付けている。

経済性も中心的な要素だ。再使用は打ち上げシステム運用の技術的課題をなくすわけではないが、ハードウェアが良好な状態で戻り、次の飛行に効率よく備えられれば、コスト構造を変えられる可能性がある。発射塔での捕獲構想は、点検、改修、再打ち上げのサイクルを速めることを狙っている。

難しい試験であり、完成した能力ではない

発表された計画は、これから行われる試験の目標であって、すでに達成された回収能力ではない。Muskは成功の可能性の方が高いと考えていると述べたが、試みは開発飛行に伴う不確実性の影響を受ける。

いずれか一方の段を回収するにも、降下中の正確な誘導と制御が必要になる。同じミッションで両方を回収するには、機体の軌道と塔の運用を調整する必要があり、運用上の複雑さが増す。Shipは帰還前に軌道飛行条件へ到達することを想定した上段であるため、試験の重要性は特に大きい。

SpaceXの方式は、Falcon 9やFalcon Heavyの部分的な再使用とも異なる。これらのシステムはブースターを回収する一方、上段は使い捨てだ。Starshipは両段を再使用可能にすることを目標としており、両段の捕獲に成功すれば、同社にとって独自の一歩となる。

次回飛行で注目すべき点

  • 11月の目標が維持され、次回のStarship試験飛行が予定どおり実施されるか。
  • Super HeavyとShipがそれぞれ発射塔へ戻り、捕獲を試みるか。
  • 上昇、降下、最終誘導段階でハードウェアがどのように作動するか。
  • 飛行後の点検、改修、再使用に向けた準備の可能性についてSpaceXが何を報告するか。

SpaceXはStarshipを非常に高い頻度で運用したいと述べている。Muskは以前、2030年までに年間10,000回を超える打ち上げを構想していた。この数字は単一の試験成功だけでは実現しない。機体は、まだ実証されていない規模で信頼性、回収可能性、迅速な再使用を備える必要がある。

それでも、今回提案された飛行は計画の方向性を明確に示す。両段の捕獲だけで通常の再使用が証明されるわけではないが、Starshipのアーキテクチャの核心、つまり両段が発射地点へ戻り、1回の飛行後に失われるのではなく次のミッションの資産になるという前提を試すことになる。

この記事はSpace.comの報道に基づいている。原記事を読む。

Originally published on space.com