規制当局は既存の周波数秩序を守ろうとしている

米連邦通信委員会は、移動衛星サービスの周波数帯における既存事業者の権利を保護することを目的とした広範な決定を下し、direct-to-device 接続にとってますます価値が高いと見なされる周波数へのアクセスを求める複数企業の要求に門戸を閉ざした。

4月23日の命令は、携帯端末を接続するために使われる帯域の既存共有枠組みを改めるよう求めた SpaceX などの申請を却下した。実務上、この裁定は Globalstar、Iridium、EchoStar など、関連する移動衛星帯域を運用している既存権利保有企業の立場を強める。

この決定は、direct-to-device、すなわち D2D 接続が、概念から商業戦場へと移行するタイミングで出された。考え方は単純だ。地上ネットワークが使えないときに、一般的な消費者端末を衛星経由で接続できるようにする。しかし、その背後にある周波数政策ははるかに複雑だ。なぜなら同じ周波数はすでに、長年の権利と事業モデルを持つ事業者によって使われているからだ。

SpaceX、AST SpaceMobile、Kepler、Sateliot は後退

却下された取り組みの中には、いわゆる Big LEO 周波数帯の共有枠組みを改めるよう求めた SpaceX の請願もあった。これは新規参入者への道を開くと同時に、SpaceX 自身の D2D の野心も支えるものだった。一方で Iridium は同じ Big LEO 帯域のより大きな持分を求めていた。カナダの Kepler Communications も、その帯域の一部で米国市場へのアクセスを求めていた。

FCC はこれらの要求を退け、既存ユーザーへの有害な干渉リスクを理由に挙げた。同機関によれば、移動衛星サービス端末の携帯性と遍在性、そして無指向性アンテナの組み合わせが、特に深刻な干渉課題を生むという。また、既存の枠組みを変えれば、すでに現行の免許保有者を中心に構築された市場における投資の確実性が損なわれるとも主張した。

命令は Big LEO にとどまらなかった。FCC はスペインのスタートアップ Sateliot が 2 ギガヘルツ帯の一部で米国市場へのアクセスを求めた申請も却下した。また AST SpaceMobile が国際事業の一環として米国外のその周波数帯の一部で運用することを求めた申請も拒否した。さらに、2 GHz 帯で国際運用向けの米国商用システムをこれ以上認めない方針も示し、それを行えば EchoStar の世界的競争力を損なうおそれがあるとした。

これらの決定は総じて、急速に発展する商業競争の最中に周波数アクセスを再開放するよりも、既存の市場構造を維持することを規制上優先していることを示している。