新たな観察研究によると、日中の昼寝は高齢者の認知症リスクを示す有用な早期シグナルになる可能性がある。この研究では、990人を超えるMedicare受給者を最長10年間追跡した。今回の結果は、昼寝が認知症を引き起こすことを示すものではない。むしろ、研究者や臨床医が、より詳しい評価の恩恵を受ける可能性のある人を見つけるのに役立つパターンを特定したものだ。

この研究はThe Journals of Gerontology, Series A: Biological Sciences and Medical Sciencesに掲載された。2013年に始まり、認知症のない65歳以上の参加者を対象に、昼寝の頻度、昼寝が意図的なものかどうか、持続時間を調べ、その後の認知症診断と比較した。

いくつかの昼寝パターンがリスクと関連

最も明確な関連を示したのは、頻繁な昼寝だった。報告によると、ほとんど毎日または毎日昼寝をする参加者は、昼寝をほとんどしない、またはまったくしない参加者に比べ、認知症を発症するリスクが48%高かった。

ほかの特徴もリスク上昇と関連していた。意図しない昼寝は39%高いリスク、30分以下の昼寝は40%高いリスクと関連していた。これらの数値は研究グループ間で観察されたリスクの差を示すものであり、特定の昼寝が健康状態を変えることを示してはいない。

  • ほとんど毎日または毎日の昼寝:観察された認知症リスクが48%高い。
  • 意図しない昼寝:観察されたリスクが39%高い。
  • 30分以下の昼寝:観察されたリスクが40%高い。

この結果は、日中の睡眠行動を、特に診療所の外でも比較的観察しやすい可能性のある指標として、真剣に捉える価値があることを示している。ただし、この研究だけを根拠に高齢者が昼寝をやめるべきだという意味ではない。昼寝には、夜間睡眠の乱れ、薬、病気、疲労、日課、脳の変化など、さまざまな要因が反映される可能性がある。

関連は因果関係を意味しない

研究者らは、今回の結果を因果関係の証拠として扱わないよう明確に注意を促している。昼寝と認知症の間には双方向の関係がある可能性がある。頻繁な昼寝がリスクと関連する一方で、認知症に関連する初期の脳の変化が覚醒を調節するシステムに影響し、昼寝の頻度を高める可能性もある。

この区別は重要だ。昼寝の増加が主に初期症状や指標であるなら、習慣を変えても根本的なリスクは取り除けない可能性がある。もし一部の状況で昼寝がリスクに寄与するなら、研究者は関与する生物学的・行動的経路と、それを介入によって安全に変えられるかどうかを明らかにする必要がある。

筆頭研究者で、Johns Hopkins Bloomberg School of Public Healthのメンタルヘルス研究分野に所属する博士研究員のKening Jiangは、昼寝を観察することが、高リスクの高齢者を特定し、より対象を絞った予防策につなげる手軽な方法になる可能性があると述べた。ただし、「可能性がある」という言葉は重要だ。この研究が支持しているのはさらなる調査であり、診断検査ではない。

睡眠パターンが重要になり得る理由

睡眠と覚醒は、加齢に伴って影響を受ける可能性のある脳のシステムによって調節されている。そのため、日中の眠気に目立った変化があれば、1回の診察では明らかにならない情報が得られる可能性がある。時間を追って繰り返し記録するほうが、たまに午後の昼寝をしたかどうかを尋ねるより有用かもしれない。

上級研究者のAdam Spiraは、昼寝の頻度が高いことは、認知症につながる変化を直接引き起こす要因ではなく、脳の変化を示す指標である可能性が高いと強調した。この解釈は、参加者を長期的に追跡したものの、単一の因果メカニズムを切り分けるよう設計されていなかった今回の研究デザインとも一致する。

家族や介護者にとって、この結果は、特定の昼寝を警戒するのではなく、変化に注意を払うことを示唆している。意図せず眠り込むようになった、以前よりはるかに頻繁に昼寝が必要になった、その他の認知機能や生活機能の変化が見られるといった場合は、そのパターンについて医療専門家に相談する理由になる可能性がある。

今後の研究が答えるべきこと

著者らは、日中の昼寝と認知症の関係を明らかにするには、より大規模で長期的な研究が必要だとしている。今後の研究では、意図的な休息と予定外の睡眠を区別し、健康や睡眠に関するほかの要因を考慮し、より幅広い集団で同じパターンが確認されるかを調べる必要がある。

タイミングを明らかにすることも重要になる。昼寝の変化が測定可能な認知機能低下に何年も先行するなら、モニタリングによって、早期評価や予防研究の対象となる人を見つけられる可能性がある。変化が認知症関連の過程がかなり進んだ後にしか現れないなら、その価値は検出や支援計画により多くあるかもしれない。

現時点では、この研究は認知症を理解する幅広い取り組みに、シンプルな観察結果を加えた。日常的な睡眠行動には、臨床的に意味のある情報が含まれている可能性がある。昼寝を認知症の原因に変えるものではないが、睡眠の変化が脳の健康の初期段階にどう関係するのかを研究する必要性を強める結果だ。

この記事はMedical Xpressの報道に基づいている。原記事を読む。

Originally published on medicalxpress.com