ソファを運ぼうとしているのでなければ、Mazda Miata のステアリングを握って悪い時間を過ごすのはほぼ不可能だ。これは、熱心なファンの間で愛される言葉「Miata Is Always the Answer」の根底にある考え方だ。しかし 2026年型 Mazda MX-5 RF Club にはひとつ条件が加わる。電動格納式ハードトップだ。これが追加の重量、追加のコスト、そして乗り込む乗客までも時にだますようなクーペ風のシルエットをもたらす。

The Drive の Cyril Soliman は最近、フル装備の RF Club をサンディエゴで1週間試乗し、日々の用事やワインディングロードで活用し、可能な限りルーフを開けて走った。彼の Miata との付き合いには 2002年式 NB があり、オープンカーを長く所有してきたことで、ソフトトップのメンテナンスがどれほど手間かもよく知っている。そんな背景から、彼が RF に確かめたかったのは次の3点だった。古い NB と比べてどうか。ハードトップのプレミアムは払う価値があるか。そして Toyota GR86 のほうが良かったのか。

10年以上たっても、ND はまだ通用する

現行 MX-5 世代は 2015年3月に登場しており、すでに10年以上が経っている。だが古臭く見えるどころか、ND のデザインは先代よりもいっそうシャープな方向へ熟成している。Soliman はそこに、初期の Miata にはなかったわずかな攻撃性が加わったと表現する。その存在感の一部を担っているのが、格納式ハードトップが生むファストバック風のプロポーションだ。MX-5 ラインアップをよく知らない人は、RF を単なるクーペだと思いがちだ。レビュー中の同乗者も、Soliman がボタンを押すまでルーフが動くとは知らず、その変化に大いに驚いていた。

Aero Gray のボディカラーにフロントエアダムを組み合わせた RF Club は、ルーフを閉じていてもアスリートのように引き締まった印象を放つ。この見た目の説得力が、RF が 2017年から ND ファミリーの一員であり続け、クラシックな布製トップと電動ハードトップの選択肢を提供してきた理由をよく物語っている。

格納式ハードトップへの長い道のり

RF はハードトップ Miata という発想を生み出したわけではない。初代から続くファンが追い求めてきた妥協点を完成させたのだ。Soliman 自身も第2世代 MX-5 を所有した経験があり、布製ルーフの弱点をよく知っている。ソフトトップは軽く、数秒で開閉できるが、時間がたつと破れたり色あせたりしやすいメンテナンス対象でもある。

初期の Miata にあったハードトップは耐久性の問題を解決したが、別の問題を生んだ。ひとりで取り付けるのが大変で、外したときにはガレージのかなりのスペースを占有してしまう。第3世代 NC は電動格納式ハードトップを採用し、オープンエアの楽しさと収納性の両立という中間解を見いだした。2026年型 RF を含む ND 世代はその流れを引き継ぎ、しかもその姿は実に美しい。

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ソフトトップ vs. 格納式ハードトップ: それぞれの取捨選択

  • 従来のソフトトップ: 軽くて操作しやすいが、摩耗や劣化に弱い
  • 初代・2代目のハードトップ: 耐久性は高いが、単独での取り付けが難しく、外した際の保管場所が必要
  • NC/ND の電動格納式ハードトップ: ボタンひとつでクーペの安心感とオープンカーの自由さを両立

Club グレードとパフォーマンス装備

2026年の試乗車は、エンスージアスト向けの Club グレードで、Mazda が用意するすべてのパフォーマンスオプションを備えていた。つまり Brembo/BBS パフォーマンスパッケージも装着されており、ブレーキとホイール関連の装備が大幅に強化されている。RF でないモデルを選ぶ買い手にとっては、この同じパッケージが 5,050ドルの追加オプションになるため、RF Club の標準装備が相対的にかなり割安に見えてくる。

スペックシートが手元になくても、Club の狙いは明確だ。Aero Gray の塗装とフロントエアダムが、RF のより鋭いルーフラインにふさわしいスポーティな外観を完成させている。内装では、MX-5 は年式を重ねても上品さを失わず、コックピットの大部分を Alcantara が覆い、ウィンドウスイッチまわりにはカーボンファイバー調のトリムが回されている。豪華な内装ではないが、RF はそもそもそれを目指していない。目的志向の作り込みを感じさせたいのであり、その役割は果たしている。

ソフトトップの不安なしに味わうオープンエア

Soliman の RF での1週間は、通勤、買い物、週末のドライブが入り混じるいつもの日常だったが、そのほとんどをルーフを開けた状態で過ごした。Miata の本質はまさにそこにある。驚きだったのはオープンエアの楽しさではなく、ルーフを閉じたときに RF が固定ルーフのクーペとして驚くほど自然に見えることだった。どの角度から見てもプロポーションが整っており、電動格納機構はソフトトップでは再現できない演出性を加えている。

RF に追加された重量と価格は、確かに重要な考慮点だ。ハードトップ機構はどこかに収める必要があり、ベースのソフトトップ車に比べて構造的なハードウェアも増えている。これは RF のアイデンティティの中心にある妥協であり、軽くてシンプルなソフトトップを今でも選ぶ熱心なファンがいる理由でもある。それでも、ハードトップの安心感とオープンカーの自由さを、ガレージにも収まりやすいひとつのパッケージで求めるドライバーにとって、RF は十分説得力のある選択肢だ。

結論: それでも答えなのか

サンディエゴのワインディングロードを1週間走り、日常の用事をこなし、ルーフの変形に同乗者が驚く様子を見たあと、Soliman は最初の3つの疑問に立ち返った。2026年型 MX-5 RF Club は、単なる“おもしろギミック付きの Miata”ではない。市場登場から10年以上たった今でも ND プラットフォームに鋭さが残っていることを思い出させる存在だ。

Miata はいつでも答えなのか。ソファを運ぶ話なら、答えはノーだ。しかし、重くて高価なハードトップが、なおも無垢なロードスター体験を提供できるのかという問いなら、この RF は十分に説得力のある答えを示している。ハードトップの上乗せ分が価値あるものかどうかは、クーペらしい見た目と全天候の利便性をどれだけ重視するか次第だ。ひとつ確かなのは、ルーフを開け、先にいい道が続いているとき、その答えは今でも Mazda の小さなロードスターそのもののように感じられるということだ。

この記事は The Drive の報道をもとにしています。元記事を読む。

Originally published on thedrive.com