AIが職場監視の範囲を広げる

University of Technology SydneyのHuman Technology Instituteの報告書によると、雇用主は工場、オフィス、配送、小売などで従業員を監視する技術の利用を拡大しており、本人が知らない場合も多い。

企業は監視カメラ、入退室カード、キーストローク、業務メッセージを組み合わせ、従業員の活動を詳細に把握できる。AIはこうしたシステムの利用と影響を加速させている。

事例が示す人への影響

同研究所がGuardian Australiaに示した事例では、あるファストフード店が従業員の携帯電話使用を止めるため監視カメラを使った。また、大手チェーンの更衣室にカメラが設置され、一部の若者が使わなくなったとの懸念も報告された。

別の事例では、AI監視システムがレジ係をエラー過多として検出した。エラー率は0.18%、約533商品に1件だったが、最終的な書面警告を受けた。

監視は従業員から見えないことがある

報告書は、職場監視が従業員に知らされないまま導入されることが多いと指摘する。その場合、システムの正確性や収集データ、解釈方法を問いただすことが難しい。

研究者はMicrosoft Teamsを監視に使われる一般的なプラットフォームとして挙げた。職場Wi-Fiに接続すると、従業員がオフィスにいると示すよう位置情報を自動更新する機能もある。

AIが管理の規模を変える

従来の監督には仕事の観察、勤務表の確認、成果の点検が含まれる。AIはカメラ、ソフトウェア、カード、メッセージの信号を結び付け、人間より速く警告やスコアを生成できる。

その結果、文脈から切り離された数値だけで従業員を評価する危険が高まる。エラー数だけでは、バーコードの不具合、難しい顧客対応、研修の必要性、技術的問題は分からない。

プライバシー保護を求める声

Human Technology Instituteは、オーストラリア連邦政府に職場のプライバシー保護強化を求めている。明確な通知、データの説明、高影響の判断への安全策、不正確または不公平な自動評価に異議を申し立てる仕組みが必要だ。

職場の尊厳をめぐる問題

論点は狭い意味でのプライバシーだけではない。デジタルシステムが一日中、動きや業績を観察する時、従業員が自律性、信頼、発言権を保てるかという問題でもある。

本記事はThe Guardianの報道に基づく。原記事を読む。

Originally published on theguardian.com