数か月先をより簡単に見通す方法
NYU Abu DhabiのMubadala Arabian Center for Climate and Environmental Sciencesの研究者らは、北極海の海氷面積を最大9か月先まで予測するアルゴリズムを開発した。Random Analog Predictor(RAP)は、大気、海洋、氷の完全な物理挙動をシミュレーションするのではなく、海氷面積の過去の記録を利用する。
Scientific Reportsに掲載された研究は、難しい季節予測の課題を扱う。明るい海氷は太陽エネルギーを宇宙へ反射する一方、暗い開水域はより多くのエネルギーを吸収する。海氷の変化は北極圏外の大気や海洋のパターンにも影響し得る。
RAPが不確実性を消すという主張ではなく、不確実性を予測の一部として示すことが中心的な特徴だ。
Random Analog Predictorの仕組み
RAPは過去の海氷データから、現在に似た状態を探す。その後、似た状態の後に何が起きたかを調べ、その結果から複数の将来予測を作る。結果の広がりが予測ごとの不確実性を示す。
この方法は、大気、海洋、海氷の相互作用を表現する物理ベースのモデルとは異なる。RAPは北極海の海氷面積の過去記録だけを使う。
競争力のある季節予測性能
研究者らによると、RAPの予測能力はSea Ice Prediction Networkが使うモデルと同程度だった。9月の海氷面積について、予測誤差は季節予測に使われる34モデルと同程度だった。
RAPの実用的な特徴の一つは透明性だ。似た過去の状態から複数の結果を生成し、文脈のない単一の数値ではなく結果の広がりを示す。
不確実性が重要な理由
季節的な海氷予測には、相互に関連し変化する過程が関わる。したがって有用な予測には、中心的な見通しだけでなく、その不確実性の大きさも必要だ。RAPの歴史的類似例の集合は、その両方を示すよう設計されている。
研究はこの方法を将来の予測研究における透明な基準として位置付ける。単純なモデルが競争力のある性能を示せば、より複雑なモデルが予測精度を高めるかを比較できる。
変化する北極圏のためのツール
RAPは、過去の海氷パターンに基づき複数の未来を示し、不確実性を明記する追加的なツールとして提示されている。
この結果は、単一のアルゴリズムが北極圏の変化に関するすべての疑問を解決することを示してはいない。ただ、歴史データに基づく方法が既存の季節予測と同等の性能を示し、明確な不確実性情報を提供できることを示している。
この記事はPhys.orgの報道に基づいている。原記事を読む。
Originally published on phys.org






