古典的な地質学の謎に新たな有力説
グランドキャニオンは地球上でもっとも象徴的な地形の一つだが、コロラド川がいったいどのようにして北アリゾナを刻むことになる通り道を確立したのかについて、地質学者の間では長年意見が分かれてきた。新しい研究はその議論に劇的なシナリオを加える。川がこの地域を完全につないで流れるようになる前に、水が巨大な湖としてたまり、そこからあふれ出したことで、峡谷を削る過程が始まったかもしれないというのだ。
新たな報道で要約されているこの考えでは、コロラド川は単純に、一定かつ途切れのない形で地形を押し切って進んだわけではない。むしろ、水は障壁の背後にたまり、やがて限界を超えて下流を侵食し始める大規模な湖系を形成した可能性がある。このあふれ出しが始まると、川は下刻を加速させ、貫通する流路を確立できたのかもしれない。
これは、テクトニクス、流域発達、そして破局的な流出を一つの首尾一貫した起源の物語にまとめるため、魅力的な説明だ。しかし報道は、誰もがこの結論に同意しているわけではないことも明らかにしており、グランドキャニオンの初期史はいまだ確定した物語ではなく、活発な科学的論争の対象であり続けている。
なぜ起源の問題はこれほど長く続いてきたのか
難しさの一部は、峡谷の年齢、規模、そして地質学的な複雑さにある。川は何百万年もかけて進化し、地形は隆起し、堆積物は取り除かれたり再加工されたりし、古い地表は後の侵食によって部分的に消される。そのため、いつ下刻が起きたのかだけでなく、流域がこの地域をまたいで最初にどうつながったのかを再構築するのは難しい。
現在見られるコロラド川は、広大な流域の産物である。問題は、それぞれの要素がどのようにつながり、水がいまのグランドキャニオンを通り抜けて流れ、現在知られる地形へと深く刻み込むほどの結びつきを持ったのか、という点だ。湖のあふれ出し仮説は一つの答えを与える。すなわち、水の集積が閾値を超え、流路を切り開いた時に結びつきが生じたというものだ。
こうした過程は地質学では珍しいものではない。湖は自然の障壁を破ることがあり、あふれ出しの出来事は流域を素早く再編成しうる。難しいのは、ここ、この場所、この規模で本当にそれが起きたことを示すことだ。



