オープンなチップアーキテクチャへの大きな資金調達の支持

SiFiveは、36.5億ドルの評価額で需要超過の4億ドル規模の資金調達ラウンドを完了した。これは、AIインフラ需要の拡大に伴い、代替チップアーキテクチャへの信頼が高まっていることを示す資金調達だ。

同社は、オープンソースのチップ設計プロジェクトに携わっていたUC Berkeleyのエンジニアによって設立され、x86やArmが支配的なエコシステムと一線を画すオープンな命令セットアーキテクチャであるRISC-Vを基盤としている。それだけでも、このラウンドは注目に値する。これが業界全体へのシグナルになるのは、投資家の顔ぶれとSiFiveの戦略の方向性によるものだ。

このラウンドにはNvidiaも参加し、Atreides Management、Apollo Global Management、D1 Capital Partners、Point72 Turion、T. Rowe Price、Sutter Hill Venturesが名を連ねた。資金調達を主導したのはAtreidesだ。

なぜ今、SiFiveが重要なのか

RISC-Vは長年、組み込みシステムのような小規模な用途と結び付けられることが一般的だった。SiFiveは今、そのアーキテクチャを別の役割、つまりAIデータセンター内のCPU向けに位置付けようとしている。このタイミングは、コンピューティング市場の構造的な変化を反映している。AIインフラはもはやアクセラレータだけで定義されない。CPUや相互接続設計を含む周辺のシステムスタックが、企業がAIプラットフォーム全体を最適化しようとする中で戦略的重要性を増している。

SiFiveのビジネスモデルは、歴史的なArmのアプローチに似ている。同社はチップを直接製造・販売するのではなく、顧客が自社のニーズに合わせて改変できる設計をライセンス供与している。このモデルは、ハイパースケーラー、インフラ構築企業、専門ハードウェア企業が、ゼロから始めることなくカスタムシリコンを求めるようになっている市場で魅力的だ。

同社の訴求は、このラウンドの報道で強調された2つの特性によってさらに強められている。オープン性と中立性だ。SiFiveの設計は、x86やArmのように独自仕様の命令セットに縛られておらず、単一の主要顧客に依存しているとも説明されていない。ロックインを警戒する市場において、この組み合わせは同社に独自の立ち位置を与えている。

Nvidiaの役割は特に示唆的だ

Nvidiaの参加は、この取引の中でも特に興味深い点の一つだ。GPU市場のリーダーと、Nvidiaのソフトウェアおよびネットワークを中心に構築されたAIシステムに組み込める可能性のあるオープンなCPU設計を開発する企業との足並みがそろっていることを示唆しているからだ。

TechCrunchによると、SiFiveの設計はNvidiaのCUDAソフトウェアとNVLink Fusionに対応するという。NVLink Fusionは、異なるCPUをNvidiaの「AI factory」に接続できるラックサーバーシステムだ。この位置付けは戦略的に重要だ。既存のCPUベンダーだけに頼るのではなく、Nvidiaは自社プラットフォームに対応するプロセッサーの選択肢を広げ得る代替ルートを支援する姿勢を見せているようだ。

SiFiveにとって、この支援は資本以上の意味を持つ。RISC-Vがエッジや組み込み用途を超えて、コンピュート市場で最も価値の高い領域へ進出できるという考えに信頼性を与える。

変化する競争地図

この資金調達は、半導体業界全体で目に見える動きが起きている時期にも行われた。TechCrunchは、Armが最近、自社で製造した初のチップを発表することでビジネスモデルを変えたと指摘している。Metaと共同開発したAIチップで、OpenAI、Cerebras、Cloudflareなどを顧客として想定している。これにより、IPベンダー、プラットフォームの実現者、直接製品メーカーの境界線が以前より不安定になっている市場に新たな圧力が加わっている。

こうした背景のもとで見ると、SiFiveの魅力は単なる技術ではない。構造的なものだ。同社は、顧客がオープンアーキテクチャにアクセスしつつ、CPUプログラム全体を社内で構築するのではなく、専門的な設計会社から購入できる道を提供している。

最新の評価額も勢いの回復を示している。PitchBookは、SiFiveの前回の資金調達ラウンドである2022年3月の調達額を1億7500万ドル、プレマネー評価額を23億3000万ドルと推計した。今回のラウンドは、ベンチャー支援のハードウェア企業にとって厳しい時期が続いた後であっても、意味のある上積みを示している。

今回のラウンドが示す、AI拡大の次の段階

最も重要な示唆は、AIインフラへの投資が、明らかな勝者だけにとどまらず広がり始めていることかもしれない。GPUは依然として中核だが、注目はその周辺にあるアーキテクチャへと広がっている。CPU、ネットワークファブリック、メモリシステム、相互運用可能な設計フレームワークだ。

SiFiveはRISC-Vをその次のレイヤーの一部として位置付けようとしている。もし成功すれば、同社はオープンなCPUアーキテクチャを、テクノロジーの中でも最も資本集約的で戦略的重要性の高い市場の一つにさらに深く押し進める助けとなるだろう。失敗したとしても、このラウンドは、その機会が大きく、相応の賭けに値すると投資家が考えている証拠として残る。

現時点で、市場からのメッセージは明確だ。オープンなチップ設計は、もはやニッチな珍しさではない。4億ドルの新規資本と、AI構築の中心にいる有力企業からの支援を得て、SiFiveはRISC-Vが次世代AIシステムを支えるデータセンター内で本当の力になり得るかどうかを試す資源を手にした。

この記事はTechCrunchの報道を基にしています。 元記事を読む.