二重の呼吸器ワクチンが初承認

欧州は、モデルナのインフルエンザとCOVID-19に対するmRNA合剤ワクチンを承認した最初の市場となった。季節性呼吸器ワクチン戦略が複雑化するなか、規制当局と医療制度に新たな手段を与える形だ。欧州委員会によるmRNA-1083の承認は、mCOMBRIAXの名称で販売され、欧州医薬品庁の委員会が2月に示した肯定的な評価に続くものであり、欧州連合全域に加えてアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーでも利用可能になる。

この決定が注目される理由は2つある。第一に、2つのウイルスを1回の接種でカバーする世界初の承認済み合剤ワクチンとなったこと。第二に、ワクチン政策をめぐる大西洋間の差が拡大していることを示していることだ。製品自体は米国企業によって開発されたが、市場投入の道筋は欧州で前進し、米国では停滞したままである。

承認を支えた根拠

承認は約4,000人の成人を対象とした第III相試験に基づいている。報告された結果によれば、このワクチンはA/H1N1、A/H3N2、B/Victoriaを含む一般的なインフルエンザ株に対して、比較対象ワクチンよりも統計的に有意に高い免疫応答を示し、SARS-CoV-2に対しても同様だった。原文には、試験で安全性や有害事象に関する懸念はなかったとも記されている。

これは重要だ。合剤ワクチンの実用的な価値は、利便性だけでは決まらない。2つの接種対象をまとめても免疫性能が低下せず、新たな忍容性の問題が生じないことを示さなければならない。欧州の承認で引用された証拠を見る限り、モデルナはその基準をクリアした。特にリスクの高い成人にとって、1回接種の選択肢は予定を簡素化し、毎年の呼吸器ウイルス流行期に接種率を高める可能性がある。

米国の状況が異なる理由

米国との対比は、科学と政策の両面によるものだ。Ars Technicaは、モデルナが昨年米国での申請を取り下げたと報じており、記事はその遅れを、保健長官ロバート・F・ケネディ・ジュニアの下でワクチンとmRNA製品に対する連邦政府の環境がより敵対的になっていることに結びつけている。原文では、同社がmRNAワクチン開発を支援するはずだった政府助成金の打ち切りにも直面したとされる。長期的な規制の結末がどうであれ、目先の結果は明らかだ。欧州は展開に向かって進んでいるが、米国はそうではない。

この違いが持つ意味は、1製品の発売にとどまらない。合剤の呼吸器ワクチンは、成人の予防接種における次の段階になり得る。とりわけ、公衆衛生当局が毎年の推奨を簡素化し、繰り返し受診の手間を減らしたい場合にはなおさらだ。欧州での初承認は、その仮説が薬局での需要、保険者の支援、各国の調達判断につながるかをモデルナが現実世界で試す機会を与える。