指向性エネルギーは実証から国境での実運用へ

米国南部国境で活動する国防総省の任務部隊は、指向性エネルギー兵器を使って敵対的なドローン3機を撃墜したと述べており、高出力レーザーシステムを実用的な対ドローン手段へ変えようとしてきた陸軍の長年の取り組みにおいて、注目すべき運用上の節目となった。

報じられた内容によると、Joint Task Force - Southern Border は、部隊員が陸軍の多目的高出力レーザーシステム、AMP-HEL を使用し、米軍人および米税関・国境警備局の要員に物理的脅威を与えたと部隊が説明する無人航空機システム3機に対処し、無力化したと述べた。発表では、交戦の正確な場所や、誰がドローンを操作していたとみられるかは明らかにされなかった。

そうした空白はあるものの、この出来事が際立つのは、指向性エネルギーシステムを試験場でのデモや抽象的な能力論ではなく、実際の国境警備任務に投入した点にある。レーザー兵器は長年、拡大するドローン問題への有望な解決策として提示されてきた。原理的には1発あたりのコストが低く、素早く照射でき、比較的安価な機体に対して従来型の迎撃弾を消費する必要もない。問題は、そうした利点が現実の運用で確実に再現できるのかという点にあった。

陸軍の AMP-HEL 計画に結びつくシステム

Breaking Defense は、AeroVironment が任務部隊が陸軍の AMP-HEL 計画に関連する同社の非動的対ドローンシステムの1つを使用したと確認したと報じた。同社は使用された正確なシステムの型式を明かさなかったが、記事はこの時期を、12月に陸軍へ納入された対UASシステムと関連づけた。また同時期の AeroVironment の発表を指し示し、同社が20キロワット級の試作 LOCUST システムを納入したとしていた。

元の文章は、LOCUST がドローン交戦で実際に使われた正確な機体だったと断定してはいない。この区別は重要だ。試作機と配備済みシステムに関する防衛報道では、計画群と具体的な構成の境界が曖昧になりがちだからだ。それでも、提示された情報は、今回の運用が、短距離ドローン防衛のための機動型高出力レーザーシステムを配備しようとする陸軍の広範な取り組みの一環であることを示している。

また任務部隊は、レーザーが車載式だったかどうかも明かさなかった。その詳細があれば、機動性、電源供給、環境耐性が重要となる厳しい国境環境で、このシステムがどれほど展開可能になったのかをより明確にできただろう。指向性エネルギー・プラットフォームが、単なる実証用資産以上のものとして機能できるかどうかを判断するうえで重要な点である。

なぜ国境が対ドローンの試験場になっているのか

この事案は、もう1つの傾向も裏付けている。つまり南部国境は、新興の対UAS技術の運用上の実証の場として、ますます利用されているということだ。情報源によれば、国防総省は同地域でのドローン脅威に対する防衛役割を拡大し、陸軍主導の Joint Interagency Task Force 401 と連携して新しい能力を試す一種のサンドボックスとしてその地域を扱ってきた。

この選択は偶然ではない。小型ドローンは、監視、密輸支援、情報収集のための柔軟な手段になっている。情報源が引用した部隊指揮官カーティス・テイラー少将は、カルテル組織が不法な人身密輸を容易にし、軍関係者や法執行機関の協力相手を監視するために、無人航空機システムをますます利用していると述べた。

その評価が正しければ、国境はドローン脅威が持続的で多様、かつ実際の運用条件に近い一方、従来型の戦場とは同一ではない環境を提供する。だからこそ実験に向いている。軍の計画担当者は、民間機関、法執行機関、国境当局との連携を洗練させながら、実際の運用圧力にシステムをさらすことができる。

情報源は、この拡大した軍の役割には議論もあり、過去に民間機関との調整がうまくいかなかった例を挙げている。こうした緊張は、軍事技術を伴う国内安全保障任務では繰り返し見られる。ドローンは小さいかもしれないが、政策上の問題は小さくない。誰に権限があるのか、どの規則が交戦を統制するのか、軍事能力を国内あるいは準国内の安全保障作戦にどう組み込むのか、という点だ。

撃墜が示す対UAS市場への意味

報じられた交戦の実際的な意味は、国境そのものを超えて広がる。安価な無人機が従来の防空経済の弱点を繰り返し露呈してきたため、対ドローン防衛は軍事技術の中でも最も緊急性の高い分野の1つになっている。低コストのドローンを高価なミサイルで撃ち落とすやり方は、長期的には持続しにくい。指向性エネルギーシステムは、少なくとも現地条件で確実に照準し、十分な出力を確保できるなら、異なるコスト曲線を約束する。

AMP-HEL 関連システムの使用が報じられたことは、国防総省がこうした能力を将来の調達向けに見せるだけでなく、実任務で用いる意思があることを示唆する。これは産業界にとって重要だ。実運用での使用は、管理された試験よりも強く調達判断に影響しうるからだ。テストで機能しただけでなく、任務条件下でも成功裏に使われたことを示せる企業は、将来契約の競争でより強い立場に立てる。

それはドクトリンにとっても重要だ。レーザー兵器が他の対UAS手段をすべて置き換えるわけではない。天候、視線、照射時間、電力制約はいずれも効果を制限しうる。しかし成功した交戦は、指向性エネルギーをセンサー、電子戦、動的手段と組み合わせる多層防御を正当化しうる。情報源は、テイラーがまさにその考え方を、先進的な指向性エネルギー能力と組み合わせた多層対策として説明したと伝えている。

その意味で、今回の撃墜は単に3機のドローンの話ではない。新しい防御手段の類型を軍が標準化しようとする取り組みの話だ。レーザー兵器は長く未来的なイメージを帯びてきた。この報道の重要性は、そのありふれた光景にある。国境任務部隊が、通常弾を発射せずに小型の敵対機を無力化するよう設計されたシステムで対処しているのだ。

これが転換点になるかどうかは、今後次第だ。交戦時の条件、結果の再現性、実際に展開されたシステム構成など、大きな疑問は未解決のままである。しかし、すでに避けにくい結論が1つある。指向性エネルギー対UASシステムは、もはや概念スライドや限定的なデモに閉じ込められていない。性能が即座に問われる運用上の安全任務へと引き込まれている。

この記事は Breaking Defense の報道に基づいています。元記事を読む

Originally published on breakingdefense.com