パスタソースブランドが、食卓の会話を聞くための装置を作った
PregoはStoryCorpsと提携し、Connection Keeperという小型の卓上レコーダーを作った。家族の夕食中の会話を記録するための装置だ。これは2つのマイク、録音ボタン、microSDカードを備えた小さな円盤で、Wi-Fiもクラウド接続もAI機能もない。生産数は100台未満に限られる。
表向きには、これはブランドの仕掛けだ。Wiredもそう説明しており、限定生産であることがその印象を強めている。だが、この発想が成立するのは、食卓が何になったのかという、より大きな文化的論点のど真ん中にあるからだ。PregoとStoryCorpsは、消費者向け製品を使って接続性を増やすのではなく、それに対する小さな儀式を切り取ろうとしている。
機器まみれの文化に対する、スマホ反対ガジェット
このプロジェクトは単純な前提に基づいている。スマホは会話を中断する、というものだ。StoryCorpsの幹部 Elyce Henkin は Wired に対し、夕食の流れを妨げるデバイスを排除し、人々を会話に戻すことが目的だと語った。皮肉なのは意図的だ。画面による過剰な媒介への返答として、また別の物がテーブルに置かれる。ただしそれは、注意を要求せずに記録する装置だ。
Connection Keeper は自動では何も記録しない。録音を始めたり止めたりするにはボタンを押す必要がある。音声は 16GB の microSD カードにローカル保存され、一度に最大 8 時間の CD 品質音声を保存できる。家族はその後、StoryCorps のマイクロサイトに保存するか、非公開ストレージに残すことができる。共有を選ぶ場合は、録音は米国議会図書館にある組織のコレクションに保存することもできると StoryCorps は述べている。
この物が本当に売っているもの
Prego が急に本格的なハードウェア企業になるわけではない。本当に売っているのは、夕食にまつわる感覚だ。家族の食事は、単なる消費の場ではなく、記憶の場であるべきだという感覚である。付属のプロンプトカードは、子ども、親、その他の親族向けの質問を通して、食卓をガイド付きの語りの場に変えることで、その枠組みを強めている。
そのため、この装置は見た目以上に文化的に鋭い。ほとんどすべての新しいガジェットが摩擦のないスマート機能を売りにする時代に、これは意図的に制限されている。クラウドなし。アシスタントなし。自動要約なし。AIなし。レコーダーは、家族の声を保存しつつ、録音の仕組みをほとんど見えなくする手段として位置づけられている。
そこには静かな矛盾もある。録音されている夕食の会話は、もはや完全に自然発生的ではないし、テーブルの上に置かれた物は行動を変える。それでもStoryCorpsは長年、意図的な録音が人々の語り合いを深めうるという考えでアーカイブを築いてきた。Connection Keeper は、その哲学を家庭的でブランド化された文脈へ持ち込んでいる。
小さな製品が示す、はっきりした文化的シグナル
この装置が массов市場のカテゴリーになる可能性は低い。100台未満の生産予定であることを考えれば、それが狙いではない。価値は象徴性にある。技術革新を自称することなく、家族の親密さ、記憶、デジタルな気散じについての会話に Prego を結びつけられる。
おそらくそれが、この製品が驚くほど今っぽく感じられる理由だ。AI があらゆるものに押し込まれている今、この円盤の最も面白い点は、しないことにある。ただ人々が夕食で話している様子を記録し、それ以外は彼らに委ねる。その抑制こそが、この仕掛けをコメントのように見せている。
この記事は Wired の報道に基づいています。元記事を読む。
Originally published on wired.com
